2024年11月3日(日)に秋葉原UDXで開催された、インディーゲーム展示イベント「デジゲー博」。
前編に続いて、こちらの記事ではINDIE Live Expo取材班の古嶋・池谷が遊んだゲームのレポートをお届けします。
※前編はこちら。
『UNKO TECHNICA(ウンコテクニカ)』:うどんぱ
燦然と輝く「ウンコできます」のPOPがインパクト抜群だった、“うどんぱ(@udonpa)”さんの『UNKO TECHNICA(ウンコテクニカ)』。
レトロネオン調のグラフィックとテクノサウンドをバックに、走り出したら止まらないウンコを便器へと導いてあげるアクションゲームです。
▲「ウンコできますか?」と聞いたら「できますよ!」とさわやかに答えてくれました。
お尻から射出されたウンコは勝手にどこまでも走り続けるので、プレイヤーにできるのは「タイミングよくウンコをジャンプさせること」だけ。
最初のうちはステージ構成もシンプルですが、先へ進むにつれてパズル的なギミックが増えてどんどん難しくなっていきます。
▲ウンコの上に見えるのがゴールの便器。
ステージ中で手に入るUN-COINを使えば、ウンコの外見をカスタマイズしたり、新しいステージをアンロックしたりすることも可能。
自分だけのウンコを作り上げ、全てのウンコを便器へと導いてあげましょう。(池谷)
▲全てのコインを獲得すれば「パーフェクト ウンコ!」
作者:うどんぱ(@udonpa)
プラットフォーム:Steam
リリース予定:近日登場
『『Danchi Days』:Analgesic Productions』:Analgesic Productions
ゲームボーイアドバンス風のグラフィックで、古き良き「団地」の魅力を描いた“平成レトロ”団地アドベンチャーゲーム。
▲GBA風のドットで、古き良き「団地」を描きます。
作者のサンディさん(@powder_sandy)とメロスさん(@han_tani_jp)はそれぞれ台湾・アメリカ出身。
2023年ごろから日本の団地に2人で住んでおり、いつしか団地の魅力にハマってこのゲームを作りはじめたのだそうです。
▲団地の中には森や公園なども。
ゲームの目的は、主人公の女の子・ホシノとなって団地の「夏祭り」をふたたび復活させること。
住民との会話や、さまざまなミニゲームを通じて団地の魅力を感じながら、住民たちが夏祭りに来てくれるよう誘っていきます。
▲ある理由から、主人公は夏祭りを復活させようと決意します。
公式X(@powder_sandy)のプロフィールによると、ゲームボーイアドバンスの『とっとこハム太郎』や、『さくらももこのウキウキカーニバル』の後継作となるゲームを目指しているとか。
リリース予定は2026年とまだ少し先ですが、「団地」や「ゲームボーイアドバンス風」といったキーワードに少しでもピンと来た人は、ぜひSteamストアページや公式アカウントを覗いてみてください!(池谷)
作者:sandy powder/mogumu/Melos Han-Tani
プラットフォーム:Steam
リリース予定:2026年
『Reso-Seeker(リゾシーカー)』:R-ta
『Reso-Seeker』は「明るいメトロイドヴァニア」がテーマの謎解き・探索ゲーム。言われてみれば「明るいメトロイドヴァニア」って意外とない……!?
▲手書きのグラフィックもいい味出しています。
本作の原体験になっているのは、作者の“R-ta(@rta0411)”さんが幼いころに訪れたという、北海道の「ルスツリゾート」。
遊園地やプール、温泉、スキー場などで構成された敷地内はとても一回の宿泊では探索しきれないほど広大で、そのときのワクワクした経験が『Reso-Seeker』の開発につながったといいます。
▲プールやスパなど、ゲーム内のリゾートホテルもさまざまな施設が満載。
実際に遊んでみると、ちょっとしたボス戦はありましたが、戦闘要素はかなり少なめ。主人公たちの会話も終始ほんわかとしていて、メトロイドヴァニアというよりも、どこかのリゾート地に遊びに来たような感覚が新鮮でした。
ちなみに言語選択では、通常の「日本語」だけでなく「やさしいにほんご」も選択可能。
▲最近では外国人向けに「やさしいにほんご」を用意している市区町村Webサイトなどもありますね。
「やさしいにほんご」を選ぶと、あらゆるメッセージが「リゾートホテルに きたら、たんけんが したくなった」といった感じに置き換わります。やさしい!!(池谷)
▲小さな子どもでも遊びやすい!
R-ta:(@rta0411)
プラットフォーム:Steam
リリース予定:近日登場
『東京珈琲パンデチカ』:ヘビサイドクリエイション
2020年の東京にて、大きく変わった日常の中でお客さんにカフェでコーヒーを入れながら話を聞くアドベンチャー『東京珈琲パンデチカ』。
インディーゲームがお好きな方なら本作を見ると、『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』や『コーヒートーク』を思い起こす方も多いと思います。
このジャンルのゲームでは珍しく、3Dで表現されたカフェで実際にコーヒーを入れる様子が見られるゲームなのですが、デジゲー博では本物のコーヒーミルを改造した専用コントローラーで遊べるここでしか遊べない展示となっていました。
しかも本物のコーヒー豆をひいてコントロールします。
生まれて初めてコーヒーミルを回しましたが、小気味よい手ごたえと音と香りで、バリスタになったような気分でした。
家では遊べない変わった専用コントローラーで遊べるのも、こういったイベントのいいところですね。(古嶋)
▲本物のコーヒーミルを改造した専用コントローラー。
▲この手のゲームとしては珍しく、店内やキャラクターは3Dで描かれています。
作者:ヘビサイドクリエイション
プラットフォーム:Steam
リリース予定:発売済み
『シリアルワールド』:SerialProject
どこか懐かしいアートが魅力のデッキ構築型RPG『シリアルワールド』。
主人公マイロが3体の「アニマ」を引き連れて街の異変を探る冒険の旅に出発します。
味方が3人いるのがちょっと珍しいかもしれませんが、ゲーム自体はかなりオーソドックスなカードベースのバトルになっていました。
それぞれのアニマに対応したカードを使い、ちょっと笑える敵と戦います。
さらにこのジャンルではちょっと珍しいなと思ったのが、きちんと冒険するフィールドを移動しながら敵と戦うこと。
なんと出展直前になってフィールドを作り上げたとのこと。
以前の展示会では線でつながったフィールドを使い、次に進む地点を選んで移動するものだったそうです。
ほかに目を引いたのがブースにも展示されていたちょっと懐かしいキャラクターたち。
なんとなく2010年代初頭に携帯機で遊んだことがあるような気がするアートですが、開発者に聞いたところ「めっちゃ開発してました!」とのこと。
システムは最新だけどなんとなく子供のころに遊んだゲームを思い出す、そんなゲームでした。(古嶋)
▲ブースの作りもしっかりしており、多くの人が足を止めて見ていました。
▲クレイアニメ調で描かれたキャラクターたち。
作者:SerialProject(@SerialWorld_Jp)
公式サイト:https://serialworld.jp/
プラットフォーム:Steam
リリース予定:2025年発売予定
『Re:VER PROJECT -TOKYO-』:SerialProject
東京を舞台にした『This War of Mine』を作ると『Re:VER PROJECT -TOKYO-』になる。
きらびやかな東京の街の路地裏で行き場をなくし、ごみをあさり生きる主人公の姿は、まさに東京版『This War of Mine』に見えました。
主人公は無実の罪を着せられたため買い物すら満足にできなくなった青年。彼は同じように無実の罪で追われる仲間を救い、真犯人を見つけるために奔走します。
特に面白いのが、不審な行動を通行人に見られると通報され、徐々に警察の包囲網が縮まっていくシステム。
彼らは直接危害を加えるわけでなくあくまで無関心ですが、これくらいの距離感は確かに現実でもありえそうだ、と思わせられました。
「再生の物語」を標榜する本作は、果たしてどんな結末を見せてくれるか発売が楽しみです。(古嶋)
▲ドット絵で描かれた東京の町並みはかなりリアル
▲無実の罪を着せられた主人公の運命は……?
作者:ネストピ(@NESTOPI_Inc)/東映アニメーション(@toeianime_info)
公式サイト:https://revprt.com/
公式X:https://x.com/revprt
プラットフォーム:Steam
リリース予定:未定